間違ったローコスト化

住宅のローコスト化の方法は、みなさん住宅取得を考えた場合に必ずといってよいほど考えることでしょう。
安くて良い住宅を実現する方法です。
だからローコスト系住宅メーカーさんの坪単価に目がいき、今の家賃で家が建つという広告に心が奪われる。
そして、実際に行ってみると、広告の値段だけでは家が建たない事を知り、住宅の価格とはそういうもので、それなら他の住宅会社ならもっと高い値段になってしまうのだろうと思ってしまう。
こういった流れで、本当の住宅のローコスト化の方法を知らずに家造りが始まってしまうのでしょう。
でも、ローコスト系の住宅メーカーさんで住宅を建てるにしても、本当のローコスト化の方法を知っている事と知らない事では大きく違ってしまいます。
住宅とは、何もないゼロの状態から創りあげていく仕事です。
そして、住宅とは工場から出来たものを持ってきて置くだけの仕事ではなくて、人の手によって加工して創りあげる仕事だと自覚してください。
住宅のローコスト化に取り組む場合、手をつけてはならないのがあります。
施工する職人さんの人件費とそれを監理する現場監理費です。
職人さんの人件費を削るという事は、腕の良い職人さんでの施工では出来なくなったり、一つの工事に掛ける時間を短くする事につながってしまいます。
日当計算で三万円／日の大工さんの腕と一万円／日の大工さんの腕の違い。
６０日／人でする工事と３０／日でする工事の出来の違い。
現場監督が着工から完成までに５回現場監理に来る工事と毎日来て現場監理する工事の違い。
住宅の出来の差は明白ですね。
間違ったローコスト化の方法ですが、住宅会社として、実は一番簡単なローコスト化の方法です。
そして、この方法は、営業折衝の時ではあなたの知らない、実際の住宅の現場での事になります。
住宅営業から、こんな良いモノを使って、こんな見栄えの立派な住宅が出来ると言われても、実際の仕事の内容はどうか？という住宅になってしまいます。
同じ設計・同じ資材で造る住宅なら、腕の良い職人さんの手によって適正な時間を掛けて、しっかりとした現場監理のもとの方が、より良い住宅が実現出来きますね。