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家が呼吸する事
現在の家造り事情では、省エネ性能の為に住宅居室内での気密化の促進が図られてます。
その反面、住宅自体の健康の維持の為に住宅に呼吸をさせる造りも大切になります。
住宅の健康の為の呼吸をさせる事は、通気断熱WB工法の住宅ばかりでなく、一般の住宅であっても大切な家造りの方法です。
一般的に住宅自体を呼吸させる方法は、住宅の外壁の通気層と小屋裏の換気がそれにあたります。
では大丈夫なのでは?
この住宅自体の呼吸の方法を理解「している・していない」という造り手の実態が家造りの現場での現状であります。
住宅自体の呼吸を理解出来ていないと、呼吸をさせる為の通気層の入り口はあっても、出口がない形だけ存在するようななんちゃって通気層の住宅とか、必要な小屋裏換気の為の有効換気面積がない住宅になってしまいます。
そして、そんな住宅を巷で多く見かけるのも悲しい事実です。
そういった意味での長期優良住宅の設計基準では、住宅の必要とする性能としての住宅の事態の呼吸となる躯体の換気処理も規定がされています。
外壁の通気層では、一般の住宅で多く使用されている通気胴桟の厚みは16ミリに対して18ミリ以上とされています。
また長期優良住宅の設計審査では、一般住宅ではない小屋裏の換気に関する換気計画も設計審査の対象となっています。
現在工事中の軒裏の下地の部分。
外壁の通気層から流れる空気を軒裏部で流通出来るように空気の流れを作ってあげて、軒裏の換気孔から出るように工事がされます。
この部分でも、住宅の呼吸の認識がないと、外壁の通気層を遮断してしまって空気の流れが出来ない一方通行の通気層にしてしまう工事もあります。
住宅自体の呼吸を妨げると、躯体内で結露が発生したり蒸れの腐れの原因となり、住宅を不健康な状態としてしまいます。
不健康な住宅で生活をすれば、住む人も不健康になってしまいます。
住宅の呼吸を理解している?理解していない?で、同じ設計で、同じ資材の住宅であっても、まったく内容の違う住宅になってしまいます。
バルコニーも防火
家造りの現場では、耐力壁の工事が終わって、省エネの為の断熱サッシも施工されました。
現在は、バルコニーの窓サッシだけがまだ施工されていない状況です。
バルコニー部の窓サッシは、バルコニーの防水工事によって設置される事になります。
今日は、バルコニーの床部分の下地工事です。
バルコニーの床には、雨水の処理の為に勾配を付ける事が瑕疵担保責任保険の設計仕様でも規定されています。
床の勾配は、構造合板とネタ等の木材が施工されますが、その上にそのまま防水層を設けてはいけません。
バルコニーの床部も防火上の有効な構造としなくてはいけません。
その為に、防火仕様とする資材をその上に施工する事になります。
住宅の設計審査である建築確認申請では、このバルコニーの防火処理の方法も設計図書の矩計図で明記する事になっていましたが、現在の確認申請では矩計図という設計図書は必要なく簡易化されていますので、そこまで設計審査がされていない場合もあります。
また、最後まで仕様が明記される設計図書が存在しない家造りの現場もあります。
正しい設計で正しい住宅工事をする。
普通の事であって、なかなか実践が難しい家造りの現場の実情と造り手の認識。
バルコニーにも防火に有効な下地工事がある事を知っておきましょう。